◆約束 35



2022.12.17
司「で、牧野はどこだよ?」
総「あぁ、牧野は検査に行ってるよ。あれから、いろいろゴタゴタしてただろ、
だから今精密検査してんだ。もうすぐ帰ってくると思うぞ。」
司「そうか~。俺がこんな時にいつまでも寝てっから・・・あついまた、酷い目に遭ってたんだな・・・」
総「おいおい、なに感傷的になってんだよ。」
あ「目覚めた時の第一声が牧野だもんなぁ~お前の頭には牧野しかないのかよ。」
総「牧野も署から帰って来てからずっと司の傍を離れなかったんだぜ。」
あ「自分を犠牲にしてお姫様を守ったナイトだもんなぁ。」
総「愛の力は凄いねぇ~」
類「司、全治1か月だって。
あの高さから落ちて、水流に流され、
全身打撲、右肩脱臼骨折、右多発肋骨骨折に、下腿骨骨幹部骨折だけで済んだなんて、
やっぱり司は野獣だね。」
総「そうだな、野獣だから治りも早そうだぜ!」
類「それと、これは牧野に直接聞いた話なんだけど、
牧野、小学校の低学年までの記憶が曖昧で5歳以前の記憶が一切ないんだって。
『幼い頃の事だから覚えてないだけよ。みんなそんなもんじゃないの?』って
本人は記憶がないことになんの違和感も感じてないみたいだけど。
4歳の時崖から落ちた衝撃で記憶を失くしたのか?その後遺症なのかは分からないけど、
・・・牧野の記憶は今も戻ってないから。
だから今回もどうして自分がドイツ女に崖から突き落とされたのかも、
白鳥家との関係も司との約束もなにも知らないよ。」
F3「「「・・・・・・・・」」」
やりきれない気持ちでそれぞれ互いに目を合せる。
類「それと白鳥夫妻は牧野を実子として白鳥家に迎える準備をしてるよ。」
総「そりゃそうだろ、実際、実の娘なんだから。」
あ「だよなぁ。」
類「どうする司?」
司「俺は牧野の事をこれ以上傷つけなくない。
まだ牧野にはこの事実は伝えないでほしい。まずは、すべてを明らかにしてからだ。」
F3「「「了解!」」」
暫くして検査を終えた牧野が戻って来た。
つ「道明寺意識が戻ったんだね、よかったーー!」
つくしは安堵し司のベッドに駆け寄った。そして両膝を付き顔を寄せる。
司「心配かけたな」
二人は見つめ合う。
三人はそっと病室を出ていく。
つ「もう、全然目を覚まさないから・・・このまま意識が戻らなかったらどうしようって、心配で心配で・・・」
つくしの目からぽろぽろと大粒涙が頬を伝い滑り落ちていく、涙は次々と溢れだし肩を小刻みに揺らし、声をしゃくり上げて泣き出した。
司「泣くな、俺はおまえを置いてどこへもいかねぇよ。これからはずっとお前の傍に居る。約束する!」
司は左手でつくしの涙を拭いそのまま頬を優しく撫でる。肌に馴染む柔らかい感触、やっぱり牧野が白鳥遥だ。俺は懐かしい心地よい安らぎに包まれた。
司「牧野が無事でよかった。おまえの顔が近くで見たい、もっとこっちへ来い!」
ハニカミながら近づくつくしの後頭部に左手を当てぎゅっと顔を寄せ、チュッと触れるだけのキスをする。
何週間ぶりの牧野だろ?あぁ~マジ生きかえる。間違いなくこいつは俺の特効薬だ。
牧野は真っ赤になり俯く///・・・可愛すぎるだろ///‥そういう仕草が男心を擽るんだぞ‼
我慢できずに、再び唇を重ねる、手を握り、温かい牧野の唇を感じ暫くキスを続けた…息が苦しくなり唇を離すとあいつの瞼がそっと開かれ優しい笑顔を浮かべている。あぁ~これ以上何もいらねぇと思うほど俺は今幸せだ。愛しい牧野が居て、微笑んでくれて、重ね合う唇の蕩ける感触が俺の体を芯から喜ばせる。
俺は牧野にあの白鳥遥は偽物だったこと。
そして白鳥遥と俺の幼少期の話と12年前の事故の話を聞かせ、遥との子供の頃の約束を守るため牧野に酷い暴言を吐いたことを謝った。
司「おまえもいろんな事が一度に起こり、混乱してると思うが、真相がはっきりしたら、すべて話す・・・今俺が確実に言えることは、俺はおまえを心から愛してるということだ。」
見つめ合い、引き寄せあう磁石のようにピッタリと重なる唇・・・もうお互い離れられない 長い長いキス。
一度唇を離し、そしてまた吸い寄せられるように再び唇を重ねる、何度も繰り返しキスを交わし、次第に舌を絡ませていく。子供の頃とは違う深い大人のキス・・・・ヤバイ・・・ マジでヤバイ・・・・
あぁ~~、俺のからだぁ~ いつになったら自由に動くんだぁ~ クソ~~っ‼
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