花より男子の二次小説です。オールCPです。



   
S M T W T F S
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -
<< 2023 >>
プロフィール

サイコ

Author:サイコ
お越しくださりありがとうございます!

最新記事
カテゴリ
最新コメント
カウンター
月別アーカイブ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
このブログをリンクに追加する
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR


◆約束 あとがき

   

 『約束』最後まで読んでくださりありがとうございました。

年末に向けて気が焦り最後は少し駆け足にお話しが終わりましたが、
皆様どのようなご感想をお持ちになったでしょうか?

なんの障害もない二人はNYでも仲睦まじく学生生活をenjoyしてくれそうですが・・・
司君の束縛が過熱することは間違いないかも。
彼はつくし一筋ですから、やっと巡り合えた約束の人と(*´艸`*)あれやこれやと愛を育みたいお年頃ですもんね🧡
今まで苦労してきたつくしちゃんをたくさん笑顔にしてあげてほしいですが…
・・・人生何が起きるか分かりません・・・いつ何時、黒い影が忍び寄るかも・・・・
NYでは周囲にお気を付けください (゚Д゚;)
作者は二人の幸せを祈ってます。

さて、次作は【類×つく】書きます。

ちょっと忙しくなるので、書き納めですが・・・

毎日楽しく書いていたら、やらねばならぬことが山のように溜まっていましたΣ( ̄。 ̄ノ)ノ
妄想の世界から抜け出し現実の仕事頑張ります!
また来年ひょっこり戻って参りますので読んでいただけると嬉しいです。

いままでありがとうございましたm(_ _)m
良いお年をお迎えください。

*****************************************************************

スポンサーサイト



| comments(2) | - | page top |

◆約束 【完】

   
つ「ただいま!」
肩で息をしながら部屋へ入ってくる。
つ「気分はどう?変わりない?」

仏頂面で一言、
司「・・・・最悪だ。」

つ「えっ、お医者様呼ぼうか?」
司「なにやってたんだ?・・・帰りが遅いだろ・・・」

そういう事かぁ~‥‥道明寺は物凄~く心配性でやきもち焼なんだった・・・
露骨に機嫌の悪さが顔に出ていて・・・・心の奥を見透かすように、
じっー―――とあたしを見つめてくる・・・

司「俺はおまえの顔を長~く見ていられれば、もっと早く傷が治るぞ。
もっとバイトから早く帰ってこい。何なら今すぐバイト辞めろ。」

俺のたっての願いで牧野は毎日俺の病室に泊まり、ここで生活している。

つ「遅くなってごめんね。 そう、そのバイトの件なんだけど、」
スプリングコートを脱ぎながらつくしが俺の傍に座る。

つ「今日ね、突然バイト先にママとパパが現れて・・・で、店長さんと話し合い、
今日でバイト辞めことになったの・・・」
司「おお、やるじゃねぇか。」ニタリっ

つ「うんん・・・それで、速やかにロッカーの整理して挨拶もそこそこにバイト先を出て、
今度は白鳥邸に連れていかれて・・・・
邸では白鳥夫妻がエントランスで待っててくださって・・・・どうしてこのメンバーなの?って
はじめは驚いたんだけど・・・・5人で顔を合わせ・・・それで、
白鳥夫妻から12年前の事故の事、遥さんの事、ママから事故以後の事など全部聞いて・・・・」

司「・・・・・そうか。」
つくしの気持ちを考えるといたたまれないが、

つ「それから白鳥夫妻とあたし、牧野夫妻とあたしのDNA鑑定の結果も見せてもらって・・・・
あたし、白鳥家の娘だったんだね・・・ほんとびっくりだよ、アハハハぁ、、」
目をしょぼしょぼさせ、から笑いをする。

おまえはどんな想いでこの話を聞いてたんだ・・・?  胸が張り裂ける思いがする。

つ「白鳥夫妻があたしに頭を下げられるの、『今まで放ったらかしにしてごめんね。』って
それで『私たちの娘になってくれ』って・・・ 泣きながら訴えられて・・・

正直白鳥の娘って、いきなり言われてもピンとこないけどね。
牧野のママとパパも『うちは経済的に余裕がないから、白鳥へ帰りなさい』って言うしね。

だからあたし、白鳥遥として生きていこうと思う。
あたしが白鳥遥だなんてイメージできないけど・・・
でも、あたしのことで涙を流してくれる人に会ったのは初めてだったから。」

司「おまえが決めた事なら俺はそれでいいと思うぞ。
牧野つくしでも白鳥遥でも俺がおまえを愛している事には変わりねぇからな。」
頬に手を当て優しく撫でながら、微笑みかける。

きっと牧野の中で、一気に入って来た情報量が多過ぎて、理解が追い付かず、
頭の中で、牧野つくしと白鳥遥がごちゃごちゃになってるかもしれねぇ・・・
もし、こいつの中で12年という計り知れない虚無感が生まれたとしたら、
俺がそれを埋めてやればいいだけのことだ。俺は遥のすべてを受け止める!

司「じゃ、今日から牧野じゃなくて遥って呼ぶぞ。おまえも俺のこと司って呼べ!」

つ「はい、白鳥遥として、よろしくお願いします。・・つっ、つ かさ///」
真っ赤になりながらぺこりと頭を下げる。

司「やっぱり俺たち運命の糸で結ばれてただろ。俺はおまえに初めて会ったときからピ~ンと来たぜ‼」
つ「うっそだぁ~。 あたしのこといじめてたじゃない。」
司「あれは愛情の裏返しだ。おまえは俺に初めて会ったときどんな感じがした?
なにかぴ~んと感じたか?」
ワクワクしながら聞く。

つ「うぅ~~~ん、、第一印象は最悪だったかな、クスッ、、 初めて会ったときは、本当に嫌な奴だと思ったもん。」
おどけて笑う。

つ「でもね、道明寺と関わっていくうちにだんだん惹かれていって、
遥さんが現れた時は、彼女に凄く嫉妬したよ・・・。
自分がこんなに道明寺のこと好きだったんだって、思い知らされた。
あたしも道明寺のこと愛してるよ///」

司「道明寺じゃねぇだろ。やり直し!」
耳まで赤く染めやがって、こっちまで移るだろ///

つ「えっ!・・・つっ、つ、つ かさのこと愛してるよ///」
司「俺もおまえのことずっと愛してるぜ。俺の愛は深いぞ、物心付いた時からずっとだからなぁ。」

つ「・・・ごめんなさい、小さい頃のことはなにも覚えてないの。」
司「イイぜ。おまえが思い出せなくても俺がちゃんと覚えてるから。
5歳の時、俺おまえにプロポーズしたんだぞ。
そしたらおまえ、俺にチュッって、俺のファーストキス奪いやがって、その約束は今も有効か?
    おまえが忘れてんなら、もう一度ここでするだけだ。」

司「遥、俺と結婚してくれ。」
司は遥の唇にキスをする。

つ「はい、よろしくお願いします///。」
遥は頬を染めながら笑顔で答える。

***

1ヶ月も経たず俺は退院した。俺の回復は遥、次第だからな…///
バイトを辞めた遥が毎日俺の傍に居てくれれば///そりゃぁ、早く治っちまうだろ・・・
ちょくちょく邪魔は入って来たけどな・・・

残念なことに退院と同時に遥は白鳥邸へと帰っていった・・・・
牧野つくしはこの世から居なくなり、白鳥遥としての生活が始まった。

白鳥夫妻は全ての処理を秘密裏かつ迅速に行った。
そもそも山下法子は白鳥遥の身代わりとして、そのまま白鳥家の子供になったから、
遥の戸籍にはなにも手を加えてないし、牧野は違法な手段で手に入れた戸籍を使用していただけなので、
その戸籍を捨て白鳥遥の戸籍に入れば何の問題もなかった。

ニセ白鳥遥は本名の山下法子として立件された。
幸いなことに、山下法子はドイツから帰国して日も浅く、すぐに春休みに入ったので
英徳の生徒も世間の人も彼女の顔と名前が一致する者はほとんどいなかった。

しかし牧野は英徳のジャンヌダルクと呼ばれるほど学園では有名人で、彼女を知らないものはいない。
素知らぬ顔をして、牧野つくしが白鳥遥として英徳学園に通うことは難しかった。

    そこで俺は遥と一緒にNYの学校へ転校することにした。

道明寺の本社はNYにある。
俺は道明寺の次期総裁として、将来NYの大学へ進学することは決定事項だった。
ババァからも早くNYへ来いと顔を合わすたびに催促されてたし、これは丁度良いタイミングだ。
俺たちは9月から揃ってNYの学校へ通う。

幼い頃から両家が認めた公認の婚約者。
俺はこれからも遥を守り、ピンチの時はいつでも駆けつける・・・
まあ、俺が遥の傍から離れることはねぇからピンチなんて起きることはねぇけどな。

遥が傍にいる限り俺の動き出した時間はもう止まらねぇ。
俺たちは約束する、これからは一緒に時を刻んでいくと・・・・互いの命が尽きるまで。

これから先の人生楽しみでしかねぇ!
俺たちは将来を誓い合いNYへ飛び立った。

≪完≫

******************************************************************

| comments(4) | - | page top |

◆約束 36

   
 翌日、俺はまずはじめに牧野の両親を病室に呼び、
牧野夫妻がつくしを育てている過去のいきさつについて訊ねた。
牧野の母親はためらうことなく、さらっと12年前のことを話し始めた。

マ「12年前のあの日、思いがけず臨時収入が入った私たちはレンタカーを借りて、
あの川にドライブに来ていたの。
それで偶然岸に倒れているつくしを発見して・・・
周りに人気も全くなく・・・ 周囲も探したけれど親御さんも見当たらなくて、
・・・・小さいつくしの体がびしょびしょに濡れててとても冷たく、あちらこちらケガをしてたから・・・
あまりに可哀そうで、放って置けなくて家に連れて帰り手当てをしてあげたの。
体に傷はあったものの大きな外傷がなかったし、
面倒くさい事にも巻き込まれたくなかったから病院には連れて行かなかったわ。

家で寝かせていたら、2日後に目を覚ましたから、家に連れて行ってあげようと、
いろいろ質問してみたけど、なにを聞いても『ちらない』しか言わなくて・・・
名前も歳も住所も何も分からない状態で・・・もしかしてこの子記憶を失くしているのかも?って思ったわ。
うちテレビも新聞もないでしょ。だから世間のことには疎くて、もしあの時騒ぎになっていたとしても気づかなかったわ・・・

つくし、私たちに愛らしい顔で笑いかけてくるの、人懐っこい性格で、
そのうちだんだん愛着も湧いて来ちゃって・・・
私たち子供に恵まれなかったし、手の掛からない育てやすい子だったから、
・・・そのままつくしを育てることにしたの。
ずっと家から出さずに居たんだけど・・・この子凄く頭のいい子でね。
何も教えてないのに計算もひらがなも漢字迄書けて一体何歳だろう?学校行かせてやりたいって思ったんだけど、なにせ戸籍が無いから、学校には行かせられなくて・・・」

罪悪感があるのか?俺の顔色を伺うよう牧野の母親が俺を見てきた。

マ「し、しょうがないでしょ・・・ そんな子供日本にどれだけいると思ってるの?
日本は豊かな国だと思ってるかもしれないけど、裕福なのは富裕層だけ、私たち貧困層の人間は生きていく為に子供を犠牲にすることもやむを得ないことなのよ。綺麗事では生きていけない世界なの。

でも・・・まぁ、その、それが、思わぬことで戸籍が手に入ってね・・・。」
目が泳よぎ、落ち着きが無くなる。

マ「まぁ、それでつくしを学校に通わせることができたの。」

司「思わぬ事ってなんだ?」
俺は牧野の母親をじっと見据えた。

マ「・・・・それをあなたに話さなければいけない義務はあるの?
大体いきなり呼び出されて・・・その高圧的な態度はなに?・・・私たち人助けしたのよ。
あの時私たちがつくしを助けなければあの子は死んでいたわ。
その上あんな立派な子に育てあげたのに、感謝されても文句を言われる筋合いはないわ。」

触れてほしくないワードに触れたのか?いきなり逆切れしだした。
まあ、いい・・・きっとロクでもない事だろう・・・
司「・・・・・別に義務はない。」

白鳥遥が牧野になった経緯は大体分かった。
確かにこの親子、初めて見た時から全く似てねぇと思ってたんだ。
顔や体型、性格までまるで違う・・・・なるほど、やっぱり赤の他人だったんだ。
闇金事件のときも可笑しいと思ったんだよなぁ・・・
いくら金に困ってるからって我が子を簡単に差し出すなんてありえねぇよ。
・・・自分の子供じゃねぇから借金の形に娘を売るような行為ができたんだ。
育てたっていったって、結局は放置状態で勝手に大きくなっただけだろ。
10歳ぐらいからはバイト漬けにしやがって・・・子供というよりは金を稼ぐ道具と化してたじゃねぇかぁ~
今となっては牧野が二人を養ってるだろ。
牧野がこのまま牧野家にいる事は決して幸せなことじゃねぇ。

*

牧野夫妻が帰って数時間後、白鳥夫妻が病室へやって来た。

父「司君体調はどうだね。」
司「はい、順調に回復してます。」
父「今回もまた司君に助けられたね。遥の事を守ってくれてありがとう。」
白鳥夫妻は揃って頭を下げる。

司「頭をあげてください。俺は俺の守るべきものを守っただけです。」

俺は白鳥夫妻に牧野について知り得た情報を伝えようとしたが、
白鳥夫妻も独自のルートで牧野家の事などすべてを調べて上げていた。

白鳥のおばさんは遥が本物の遥でないことに、始めから気づいていたらしい・・・
でも、遥を失った事実を受け止める事ができなくて・・・たとえ偽物の遥でも、
遥として自分の傍にいてくれればそれでよかったそうだ。
そうやって自分の精神を保っていたのかもしれない。

おじさんとおばさんもあの事故の被害者だった・・・傷つき、様々なものに蓋をしてきたんだ。

2人は俺が意識を失っている間に牧野の自宅を訪れ、牧野夫妻と4人で直接話し合ったそうだ。
白鳥で再度調べたDNA鑑定書を牧野夫妻に見せ、遥が牧野になったいきさつをすべて聞い、
白鳥夫妻もまた今までの事情をすべて話した。
そしてこれからは白鳥遥としてつくしを育てていきたいと頭を下げ、今まで育ててくれた御礼としてそれ相応の額を置いて来たそうだ。
牧野夫妻は二つ返事でそれを承諾し、つくしを白鳥遥として認め、誓約書に署名捺印を押したそうだ。

生みの親より育ての親なんていうが、牧野夫妻はそもそもつくしを育ててねぇし、
やっぱり白鳥に帰るのが一番しっくり収まるが・・・・

本人の何も知らねぇ所で大きな事柄が勝手に動いているのが気に食わねぇ・・・
事故が始まりだとはいえ、1か月後には捜索も打ち切り、別人が遥になり、
自分の存在をこの世から抹消された。
その後たまたま拾われた、牧野家に金を稼ぐ道具としてこき使われ、
青春を謳歌することなく夜の世界へ売られるそうになった・・・・
それなのに牧野が本物の遥だと判明した途端、本人そっちのけで、勝手に契約が交わされる・・・
どうにも遣る瀬無い思いに駆られる・・・・・

    さて、これをどう牧野に伝えるかだ?
牧野の立場に立って考えてみても、実にやりきれないところだ。

******************************************************************

| comments(0) | - | page top |

◆約束 35

   
司「で、牧野はどこだよ?」

総「あぁ、牧野は検査に行ってるよ。あれから、いろいろゴタゴタしてただろ、
だから今精密検査してんだ。もうすぐ帰ってくると思うぞ。」

司「そうか~。俺がこんな時にいつまでも寝てっから・・・あついまた、酷い目に遭ってたんだな・・・」
総「おいおい、なに感傷的になってんだよ。」

あ「目覚めた時の第一声が牧野だもんなぁ~お前の頭には牧野しかないのかよ。」
総「牧野も署から帰って来てからずっと司の傍を離れなかったんだぜ。」

あ「自分を犠牲にしてお姫様を守ったナイトだもんなぁ。」
総「愛の力は凄いねぇ~」

類「司、全治1か月だって。
あの高さから落ちて、水流に流され、
全身打撲、右肩脱臼骨折、右多発肋骨骨折に、下腿骨骨幹部骨折だけで済んだなんて、
やっぱり司は野獣だね。」
総「そうだな、野獣だから治りも早そうだぜ!」

類「それと、これは牧野に直接聞いた話なんだけど、
牧野、小学校の低学年までの記憶が曖昧で5歳以前の記憶が一切ないんだって。
『幼い頃の事だから覚えてないだけよ。みんなそんなもんじゃないの?』って
本人は記憶がないことになんの違和感も感じてないみたいだけど。
4歳の時崖から落ちた衝撃で記憶を失くしたのか?その後遺症なのかは分からないけど、
・・・牧野の記憶は今も戻ってないから。
だから今回もどうして自分がドイツ女に崖から突き落とされたのかも、
白鳥家との関係も司との約束もなにも知らないよ。」

F3「「「・・・・・・・・」」」
やりきれない気持ちでそれぞれ互いに目を合せる。

類「それと白鳥夫妻は牧野を実子として白鳥家に迎える準備をしてるよ。」

総「そりゃそうだろ、実際、実の娘なんだから。」
あ「だよなぁ。」

類「どうする司?」
司「俺は牧野の事をこれ以上傷つけなくない。
まだ牧野にはこの事実は伝えないでほしい。まずは、すべてを明らかにしてからだ。」

F3「「「了解!」」」

暫くして検査を終えた牧野が戻って来た。

つ「道明寺意識が戻ったんだね、よかったーー!」
つくしは安堵し司のベッドに駆け寄った。そして両膝を付き顔を寄せる。

司「心配かけたな」
二人は見つめ合う。
三人はそっと病室を出ていく。

つ「もう、全然目を覚まさないから・・・このまま意識が戻らなかったらどうしようって、心配で心配で・・・」
つくしの目からぽろぽろと大粒涙が頬を伝い滑り落ちていく、涙は次々と溢れだし肩を小刻みに揺らし、声をしゃくり上げて泣き出した。

司「泣くな、俺はおまえを置いてどこへもいかねぇよ。これからはずっとお前の傍に居る。約束する!」
司は左手でつくしの涙を拭いそのまま頬を優しく撫でる。肌に馴染む柔らかい感触、やっぱり牧野が白鳥遥だ。俺は懐かしい心地よい安らぎに包まれた。
 
司「牧野が無事でよかった。おまえの顔が近くで見たい、もっとこっちへ来い!」
ハニカミながら近づくつくしの後頭部に左手を当てぎゅっと顔を寄せ、チュッと触れるだけのキスをする。
何週間ぶりの牧野だろ?あぁ~マジ生きかえる。間違いなくこいつは俺の特効薬だ。
牧野は真っ赤になり俯く///・・・可愛すぎるだろ///‥そういう仕草が男心を擽るんだぞ‼
我慢できずに、再び唇を重ねる、手を握り、温かい牧野の唇を感じ暫くキスを続けた…息が苦しくなり唇を離すとあいつの瞼がそっと開かれ優しい笑顔を浮かべている。あぁ~これ以上何もいらねぇと思うほど俺は今幸せだ。愛しい牧野が居て、微笑んでくれて、重ね合う唇の蕩ける感触が俺の体を芯から喜ばせる。

俺は牧野にあの白鳥遥は偽物だったこと。
そして白鳥遥と俺の幼少期の話と12年前の事故の話を聞かせ、遥との子供の頃の約束を守るため牧野に酷い暴言を吐いたことを謝った。

司「おまえもいろんな事が一度に起こり、混乱してると思うが、真相がはっきりしたら、すべて話す・・・今俺が確実に言えることは、俺はおまえを心から愛してるということだ。」

見つめ合い、引き寄せあう磁石のようにピッタリと重なる唇・・・もうお互い離れられない   長い長いキス。
一度唇を離し、そしてまた吸い寄せられるように再び唇を重ねる、何度も繰り返しキスを交わし、次第に舌を絡ませていく。子供の頃とは違う深い大人のキス・・・・ヤバイ・・・ マジでヤバイ・・・・
あぁ~~、俺のからだぁ~ いつになったら自由に動くんだぁ~ クソ~~っ‼

*******************************************************************

| comments(0) | - | page top |

◆約束 34

   
遥が落ちていく顔がはっきり見える、
はるかー、はるかー
俺は声がかすれるまで遥を呼びつづけた・・・

喉の痛みを感じ、俺は病院のベッドの上で目を覚ました。
またあの夢か・・・
俺は生きてんだ・・・・牧野は?

司「牧野はどこだ?」

あ「おぉ!司が目を覚ましたぞ!」

司「牧野はどこだって聞いてんだろ?」
あ「なに、目覚めてすぐキレてんだよ。おまえ大丈夫か?凄く魘されてたぞ。」
司「答えろよ、牧野は無事なのか?」

総「あぁ、生きてるぞ、でも・・・」
総二郎が目を反らす。

司「でも、なんだよ。」

F3「「「・・・・・・」」」
3人がアイコンタクトをとる。

司「黙るなよ!」
司は身動きの取れない体を無理やり動かし立ち上がろうとする。

あ「とにかく落ち着けよ。」
あきらが近づき司を寝かせる。

類「司は4日間眠り続けてたんだよ。」

総「その間にいろいろあってな。」
司「いろいろってなんだよ?とにかく牧野をここへ連れて来い!」

あ「まぁ、話を聞けって、
司と牧野が谷底へ落ちてから、すぐに白鳥のSPが遥の元に到着したらしい。
白鳥のSPは山荘の門扉をブチ破り敷地内に入っていく司の様子に異常を感じ、
車を降り山荘の中へ入って行ったそうだ。
それで司の車をみつけ、茂みの奥へ入っていったら、
呆然と谷底を見下す遥を発見し、SPが事情を聴いたら
『牧野さんが突然襲ってきて・・・私を守ろうとした司が牧野さんと揉み合いになって・・・司が谷底へ落ちてしまったの、お願い司を助けて!』って騒ぎになり、
すぐさま救助隊に連絡し、おまえらは40分後600m離れた下流から発見され、
ここに搬送されたってわけだ。

救助隊と一緒に警察も駆けつけ、その場で現場検証が始まり、
遥は牧野に殺されかけたと半狂乱になって喚き散らしてたらしいぜ・・・
遥は白鳥商事の1人娘だろ、大企業に忖度した警察が遥の話を全面的に信用し現場検証も、
かなりずさんに行われたらしいぞ。

それで病院に搬送され、程なくして目を覚ました牧野に、待機していた刑事が話を聞き、
遥と牧野の証言が食い違っている事から牧野がそのまま警察に連行されたんだ。
雑な捜査でほぼ何も調べてねぇのによ、端から牧野のこと疑いやがって・・・」

司「うそだろ!牧野は今、留置場か?
あいつらみんなクビにしてやる!遥の話は全部でたらめだ!」
怒りで司の血管が切れそうだ・・・

あ「分かってる、分かってるから落ち着けよ。」
類「司、そんなに興奮するとまた気を失うよ。」
類と総二郎が司の傍へいき押さえてくれた・・・

あ「とにかく遥の証言を基に捜査が行われたから、すべてが迅速に進んでよ・・・
牧野、逮捕寸前までいったんだぜ     それを白鳥社長が止めたんだ。
短い時間でかなり尽力を屈してくれて、決定的証拠を見つけてきた。

    俺たちが事件の知らせを聞き駆け付けた時には、ほぼけりが付いててな・・・
はじめ白鳥社長から話を聞いたときは俺たちも訳が分からなくて・・・
理解するのに少し時間が掛かったよ。
牧野は白鳥の実の娘だったんだろう?
司も水臭いよなぁ、もう少し俺らの事頼れよぉ。」

司「すまねぇ、前々から遥に対して違和感があったんだけどな、
証拠がなくて・・・俺の勘だけで白鳥のご令嬢を偽物扱いする訳にもいかねぇし、
俺も正直、半信半疑だったしなぁ。
だからどうしても確証が欲しくてDNA鑑定をした。
結果が出て、すぐおじさんに鑑定書を突き付けたその日に、この事件が起きたんだ。
それで白鳥のおじさんの決定的証拠ってなんだったんだ?」

あ「司、茂みに入る手前でエンジンも切らず、ドアも開けっ放しの状態で車を乗り捨てていっただろ?」
司「あぁ・・そうだったか?覚えてねぇなぁ~」

あ「あの車には高性能なドライブレコーダーが付いていて、そのドラレコがおまえたちの会話を記録してたんだ。 ちょうど遥が、 え~っと・・・なんだっけなぁ?うーーーーん?」
類「『あの事故の日、あなたの大切なお人形を崖に置いたのは私なの・・・』の、くだりからだろ。」

あ「あっ、そうそう類すげぇなぁ。その辺りの会話からドラレコに記録されてるらしいぞ。
それが決定的証拠になってあっけなく遥が捕まったってわけだ。
その後、もう一度正しい捜査が行われ、
牧野が遥にストーカー行為をしていた事実はないと遥のSPが証言し、
司と牧野の診断書も提出された。司が牧野を守って谷に落ちたことは明白だろう。
あとは裁判で真相が明らかになるんじゃねぇのぉ?

・・・12年前の事故を過失傷害で罪に問えるかまでは分からねぇが、
白鳥社長がかなり警察に圧力を掛けて再捜査を要請するらしい。
白鳥遥の入れ替わりの件などその辺の事は極秘扱いになってるらしいぞ。
あと牧野の捜査に当たった安藤警部補、葛西巡査部長、両名は離島の交番勤務に飛ばされるらしい。
白鳥社長が動かなかったら、牧野完全にブタ箱入りだったからな、全く理不尽な世の中だぜ!」

総「ニセ白鳥遥は殺人未遂及び傷害罪で逮捕され今は留置場だ。
本名は山下法子(18歳)2歳もサバ読んでやがったぜ。
もともと母子家庭で父親はいないらしいが、母親の所在も未だ掴めてない。」

類「でもさ、司がドイツ女に違和感を感ることなくDNA鑑定もしてなかったら、
ニセ白鳥遥は完全犯罪だったよね。誰にも気づかれず、誰にも知られず、牧野を葬り、
自分が完全に白鳥遥になるんだから。」

司「あぁ、考えただけでゾッとするぜ。」
4人は一斉に鳥肌が立った。

******************************************************************
| comments(2) | - | page top |
次のページ